「英語が苦手」という中学生や大人のかたに、その理由を聞いてみると、ほとんどの場合、単語よりも先に「文法がごちゃごちゃになっている」という答えが返ってきます。

be動詞と一般動詞をどう使い分ければいいのかわからない。疑問文を作るとき、なぜDoを使うときとIsを使うときがあるのか整理できていない。三単現のsをつけ忘れる。過去形の不規則変化が頭に入らない——こうした「小さなつまずき」が積み重なって、英語への苦手意識が生まれていきます。

この記事では、中学英語で学ぶすべての文法項目を1つのページでまとめて解説します。全体像をつかんでから個々のルールを見ていくことで、「なぜそうなるのか」が自然と理解できるようになります。保護者のかたが子どもに説明するときの参考にも、大人が中学英語をやり直すときの地図にも使える内容にしました。

中学英語で学ぶ文法の全体像

まず、中学3年間で学ぶ文法の全体像を見ておきましょう。一度にすべて覚えようとする必要はありませんが、「自分は今どこをやっているのか」を把握することがとても大切です。

学年の目安 主な文法項目 重要度
中学1年 be動詞・一般動詞・否定文・疑問文・三単現のs・過去形 最重要
中学1〜2年 助動詞(can / will / must など)・進行形・未来形 重要
中学2年 比較・不定詞・動名詞・接続詞・受動態 重要
中学3年 現在完了・関係代名詞・間接疑問文・仮定法 発展

この記事では特に「中学1年生で習う基礎文法」を中心に解説します。ここが揺らいでいると、2年・3年の内容がすべて崩れてしまうためです。英語の成績が伸び悩んでいると感じるときは、まず1年生の文法に戻って確認するところから始めましょう。

be動詞(am / is / are)の使い方

中学英語の第一の関門が「be動詞」です。am・is・areの3つを主語によって使い分けるルールですが、最初はなぜ3種類もあるのか戸惑う人が多いです。

be動詞の基本ルール

Be動詞の使い分け
I → am / He・She・It → is / You・We・They → are
I am a student.
主語が「I」→ am
わたしは生徒です。
She is kind.
主語が「She」→ is
彼女は親切です。
We are friends.
主語が「We」→ are
私たちは友達です。

なぜ間違えるのか

be動詞でよくあるミスは「主語が何人称か」を考えずに、何となくisを使ってしまうことです。特に 「Tom and I」(TomとI) のように2人が主語になる場合は複数扱いになりますが、Iが入っているからといってamを使うと間違いになります。「主語が複数なら are」というルールを優先して考えましょう。

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be動詞の基本をわかりやすく解説

一般動詞の使い方

be動詞の次に登場するのが「一般動詞」です。play・eat・study・likeなど、「動作や状態」を表す動詞すべてが一般動詞にあたります。be動詞とまったく別のグループだと意識することが大切です。

鉄則:be動詞と一般動詞は1つの文に同時に使えない。
✕ He is plays soccer. → ✓ He plays soccer.

I play tennis.
一般動詞の基本形(主語がI・You・複数)
私はテニスをします。

なぜ間違えるのか

be動詞との混同が最大のミスです。「〜です」というイメージからis/amを使いたくなってしまうのですが、動作や行動を表すときは一般動詞を使います。「練習する・食べる・好き」などはすべて一般動詞です。「〜です=be動詞」と単純に結びつけず、文の意味から判断する習慣をつけましょう。

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一般動詞の基本を丁寧に解説

否定文の作り方

「〜ではありません」「〜しません」という否定文の作り方は、be動詞か一般動詞かによって方法がまったく異なります。ここを混同してしまうと、すべての否定文が間違いになってしまいます。

be動詞の否定文

be動詞の直後に not を置くだけです。

She is not tired.
is + not → isn't でも可
彼女は疲れていません。

一般動詞の否定文

一般動詞には「do not(don't)」または「does not(doesn't)」を動詞の前に置きます。主語が3人称単数(He・She・It など)のときは does not を使い、動詞はもとの形(原形)に戻します。

I don't play the piano.
主語がI → don't + 動詞の原形
私はピアノをひきません。
He doesn't play the piano.
主語がHe → doesn't + 動詞の原形(playsにしない!)
彼はピアノをひきません。

なぜ間違えるのか

一番多いミスは 「He doesn't plays」 のように、doesn'tを使っているのに動詞にsをつけたままにしてしまうことです。doesn't / don't を使った時点で「3人称・単数・現在」の情報はそちらに含まれているので、動詞は必ず原形(plays → play)に戻す必要があります。

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否定文の作り方をわかりやすく解説

疑問文の作り方

疑問文も、be動詞と一般動詞で作り方が違います。この2パターンを分けて覚えることが最重要です。

be動詞の疑問文

be動詞を主語の前に移動させるだけで疑問文になります。

Are you a student?
You are → Are you ?
あなたは生徒ですか?

一般動詞の疑問文

文頭に Do または Does(主語が3人称単数のとき)を置き、動詞を原形に戻します。

Does she like music?
She likes → Does she like ?(likesのsが消える)
彼女は音楽が好きですか?

なぜ間違えるのか

「Does she likes music?」のように、Does を使っているのに動詞にsを残してしまうミスが最も多いです。否定文と同じ理由で、Does が3人称単数の情報を担っているため、動詞は原形に戻す必要があります。また、Yes/No疑問文への答え方でも「Yes, she does.」のように代動詞(does)を使う点を忘れてしまう人が多いです。

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三単現のs(三人称単数現在)

「三単現のs」は、中学英語の中でも特に忘れやすく、テストでも頻繁に減点されるポイントです。「三人称・単数・現在形」の条件がそろったとき、一般動詞の語尾に s または es をつけるルールです。

三単現のsがつく条件
3人称(He/She/It/人の名前など)
かつ 単数 かつ 現在形
I・You・We・They には s をつけない
My father cooks dinner every day.
father(3人称・単数・現在)→ cook + s
私の父は毎日夕食を作ります。

sのつけ方にも種類がある

なぜ間違えるのか

三単現のミスの多くは「sをつけ忘れる」よりも、「つけなくていいところにsをつける」パターンです。特に疑問文・否定文(Does/Doesn't)を使うときは、動詞を原形に戻すため s は不要です。また「今の話か・過去の話か」を意識していないと、過去形(played)と現在形(plays)を混同することもあります。

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過去形(規則変化・不規則変化)

「昨日〜した」「〜だった」という過去のことを表すのが過去形です。be動詞と一般動詞でそれぞれ形が変わります。

be動詞の過去形

am・is → was、are → were に変わります。

I was busy yesterday.
am → was(過去形)
私は昨日忙しかった。

一般動詞の過去形:規則変化

ほとんどの動詞は語尾に ed をつけるだけです(play → played、watch → watched)。

一般動詞の過去形:不規則変化

問題になるのがこちらです。go → went、come → came、eat → ate、have → had のように、まったく別の形に変わる動詞があります。

She went to school by bike.
go → went(不規則変化)
彼女は自転車で学校へ行きました。

なぜ間違えるのか

不規則動詞の変化は「規則がない」からこそ、丸ごと覚えるしかありません。「goed」「comed」のように規則変化のルールを当てはめてしまうミスは非常によく見られます。不規則動詞は使用頻度の高いものから順番に、繰り返し声に出して覚えるのが効果的です。参考:文部科学省の学習指導要領では中学卒業までに約1200語の習得を目標としています。

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助動詞(can・will・mustなど)

助動詞は、動詞の前に置いて「〜できる」「〜するだろう」「〜しなければならない」といった意味を加える言葉です。助動詞を使うときは、後ろの動詞は必ず原形になるという共通ルールがあります。

助動詞 主な意味 例文
can 〜できる/〜してもよい She can swim fast.
will 〜するだろう/〜するつもり I will study tonight.
must 〜しなければならない You must be quiet.
should 〜すべきだ/〜したほうがよい You should sleep early.
may 〜してもよい/〜かもしれない It may rain tomorrow.

なぜ間違えるのか

助動詞で最も多いミスは「三単現のsを助動詞に引きずる」パターンです。「She cans swim.」という間違いは非常によく見られます。助動詞には3人称・単数であっても s をつけません。また、助動詞の後ろの動詞を「goes」「swims」のように変化させてしまうミスも多いです。「助動詞の後 = 必ず原形」を徹底しましょう。

つまずきやすいポイントをまとめて確認

ここで、中学英語全体を通して「特に間違いやすい」ポイントを整理します。

be動詞と一般動詞の混在

1つの文にbe動詞と一般動詞を同時に使うミスは、中学1年生に非常に多く見られます。「He is go to school.」という文は、isとgoが両方入っているため誤りです。正しくは「He goes to school.」(一般動詞のみ)または「He is going to school.」(進行形)のどちらかです。

Does / Doesn't の後の動詞の形

「Does she plays?」「She doesn't plays.」のように、Does / Doesn't の後に三単現の s がついたままになっているケースは定期テストでも頻出の失点ポイントです。Does / Doesn't を使ったら、動詞は必ず原形に戻します。

不規則動詞の過去形

go / come / eat / see / write / run など、頻出の不規則動詞はテストで必ず問われます。「goed」「writed」のように規則変化を当てはめてしまわないよう、使用頻度の高いものから順に覚えていくことが大切です。

要注意:これらのミスは「わかっているのにできない」タイプのミスが多いです。知識として理解していても、実際に問題を解くときに出てしまうのは、頭でわかっているだけでアウトプット練習が足りていないからです。

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中学英語でつまずく人が多いポイントを解説

効率的な勉強法——「理解」だけでは点数は上がらない

文法の解説を読んで「なるほど、わかった」と感じても、テストで点が取れない——これは英語学習でよくある「理解と定着のギャップ」です。

文法のルールを頭に入れることは、あくまでスタートラインです。実際の問題では、瞬時にルールを適用してアウトプットする力が問われます。英語の文法を定着させるために必要なのは、次の3つです。

  1. 理解する——ルールの仕組みを把握する
  2. 反復する——問題を解いてルールを使う体験を積む
  3. 弱点を把握する——どのルールが抜けているかを確認する

アウトプット練習がとくに重要な理由

英語では「読んでわかる」と「書いて・話せる」のあいだに大きな差があります。文法だけでなく、単語のスペルも同様です。

例えば「necessary(必要な)」という単語を見て読めても、書けるかどうかは別問題です。スペルを正確に書けるかどうかは、テストでも実際のコミュニケーションでも直接影響します。「見て読める」から「手や指で出力できる」レベルに引き上げるためには、スペルを自分で入力する練習が欠かせません。

弱点の可視化が学習を加速させる

勉強で成果が出ない原因のひとつは、「どこが弱いかわからないまま全部やり直す」ことです。be動詞は完璧なのに三単現が抜けているのなら、三単現だけ集中的に練習するほうが何倍も効率的です。

自分の弱点を把握するためには、実際に問題を解いて「どこで間違えるか」を記録することが必要です。ただ教科書を読んでいるだけでは弱点は見えてきません。

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英語の弱点を見つけて克服する方法
大人向け
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まとめ——中学英語の文法は「順番に整理する」ことが大切

この記事で解説してきた文法項目をまとめます。

中学英語 文法まとめ

  • be動詞:主語によってam・is・areを使い分ける
  • 一般動詞:be動詞とは別グループ。1文に両方は使えない
  • 否定文:be動詞→not追加、一般動詞→don't/doesn't
  • 疑問文:be動詞→前に出す、一般動詞→Do/Doesを文頭に
  • 三単現のs:3人称・単数・現在のとき動詞に s/es をつける
  • 過去形:規則変化(ed)と不規則変化(went など)を区別
  • 助動詞:後ろの動詞は必ず原形。sをつけない

文法のルールは複雑に見えますが、「be動詞か一般動詞か」という判断を最初に行う習慣をつけるだけで、否定文・疑問文・三単現のルール適用がすべてスムーズになります。

理解したら、次は問題を解いてアウトプットする練習を始めましょう。どこでつまずくかを確認しながら進めることが、英語力を着実に伸ばす最短ルートです。

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